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Welcome to my blog. This blog about my husband, Euan Craig, who is an Australian potter in Japan; about his works, making process, our life style and our family.

Euan Craig    A Potter's Life

このブログへようこそ。

陶芸家の妻、そして母である三日月こと私が綴るブログです。
オージー親父こと陶芸家の夫、ユアン クレイグの作品、制作過程、展示会や
家族との生活や色々な思いなどを書いています。

いわゆる贅沢はできませんが、
日本とオーストラリア両方の文化を取り入れたハイブリッド(?!)の生活をしています。

笑いあり、涙あり、歌あり、ジョークあり、賑やかに、
夫婦と子供たちと猫2匹で暮らしています。



21年間、益子焼きで活動してきたユアン。

東日本大震災で、震度6強の地震に被災し、
ずっと暮らしてきた栃木県を離れ、
私の実家のある、群馬県みなかみ町で再スタートし、
もうじき12年になります。

子供達の成長も含め、色々なことがありました。

まだまだ力が及ばないことも多々あり、
もがきながらも、私たちなりに頑張っています。

多くの方々、友人たちに助けていただき、
今までに色々なご縁に恵まれました。

ありがとうございます。

これからも私たちなりに頑張っていきますので、どうぞ見守っていてください。







2010/06/28

窯出し

先日の窯焚きの作品が
焼き上がりました !


窯を開ける時は、
いつもドキドキです。



さて、今回の作品は
どう焼き上がったのでしょうか・・・。

楽しみですねぇ♪







窯に入れていたゼーゲルは、
この通りです。

ゼーゲルは、火前でなく、
温度の少し低めの
手前に置いています。

でも、
8番、9番は完全に溶けて倒れ、
10番もちょうどよく
溶け曲がっています。





ゼーゲルはそれぞれ
8番は1260℃、
9番は1280℃、
10番は1300℃に反応し
溶けて曲がり、
温度が分かります。

空気中の温度は温度計で測り、
作品の蓄熱温度をゼーゲルで測るのです。


ユアンは1300度まで温度を上げて
窯焚きをしているのですが、
マグマの温度の1200度より高いです。(笑)


でも、この1300度まで上げるか上げないかが、
灰が溶けるか、溶けないかの違いになります。

ただし、
灰の溶ける温度に達していなくても、
長い時間窯を焚くことで
灰を溶かすことができます。

つまり温度を1300℃まで上げられない分、
1250~1260℃くらいで長く焚いて、
灰を溶かすことができるということです。

実際に、そう焚いている人は多いです。

窯焚きをすると
1100度まで温度を上げるのは、
それほど難しくないのですが、
そこから温度を上げていくのが難しいです。

ユアンは素焼をせずに、
作品を生で本焼きをしているので、

573℃で硅石の結晶が
α系からβ系に化学変化するまでは、
温度をゆっくりと
急激に上げ過ぎないよう気を付けています。
(1時間に100度弱くらいずつ)

そこを過ぎると
1時間に100度以上で上げていきます。

本当はもっと上げてもいいのですが、
このくらいのペースが
窯にも、焚く人にも優しいそうです。





ユアン窯は
少しのコツと、薪が乾いていれば、
どんな薪でも温度が上がります。

よく勘違いしてしまう人がいますが、
登り窯や穴窯とは焚き方が違います。

ユアン自身は、
あまり灰を被らせ過ぎないように焚いていますが、
穴窯のように、灰被りを多くすることもできます。


薪を詰め過ぎず、
オキがたまり過ぎないようにして、
窯が窒息しないよう気を付け、
温度・炎・気流の流れを見ながら
窯を焚いています。

時には、窯が温度を上げたがっているのを、
上がり過ぎないよう
押さえて焚くこともあるんです。






窯焚きを炎との戦いのようにする人がいますが、

ユアンは窯と炎と協力し合い、
作品を作り上げています。



作品から、ユアンと炎のハーモニーが聞こえてきそうです♪

2010/06/23

窯焚き


今朝、 5時30分に火を入れ、
窯焚きをしています。


今日から2泊3日で、
長男が茨城県にある
臨海学校に行きました。

長女は部活の朝練があり、
他の子供たちも、今日は早起きでした。
(めずらしい・・・笑)


ただ、
末息子は週末に高熱を出し、
熱が下がったと思ったら、
今度は蕁麻疹に・・・・。

保育所はずっとお休みして、
また病院に行ってきました。

どうやら、風邪のウイルスのせいで
治りかけに蕁麻疹になったようです。

早く良くなるといいな・・・。


私たちが家に戻ると、
ユアンは、窯焚きをしながら、
シャベルで何やらやっていました。

見ると、
窯場のわきに溝を掘り、
レンガを敷き、
手作りの側溝を造ってました。

雨のたびに、
庭の土が流され、
少しずつ積もっていき、
柱が土で埋もれて、
もろくなっていました。

これで少しは、良くなることでしょう。




窯は今、1250度です。


この作業しながらなので、


これからソーダ灰を入れていきます。



ソーダ灰を水に溶いて、
霧吹きで入れていく人もいますが、

ユアンは、
熱湯に、おが屑とソーダ灰を入れ
よくかき混ぜます。




それを薪の上にのせ、
窯に入れます。

薪と一緒に燃えながら気化し、
作品に被っていくのです。

1時間半くらいかけて
ゆっくりとソーダ灰を
入れていきます。









そして、あと何時間かで
窯焚きが終わります。

ユアンは汗びっしょりになって、
頑張っています。




焼き上がりが楽しみです。

2010/06/22

雨の合い間の窯詰め

工房から窯まで
距離が約20mあり、

作品を運ぶ時に
雨が降ると、
作品に雨が当たって、
釉薬がはじけたり
作品にダメージが出てしまいます。


だから、梅雨時は特に
雨の合い間に窯詰めします。




前日に作品を乾燥させた時に
窯の棚もきれいにし、
アルミナでコーティングし、
乾燥させたので、
限られた時間で
スームーズに窯詰めができます。



窯詰めは、作品に隙間が空き過ぎても
窯の中で温度差ができてしまい、
焼き上がりにムラができてしまいます。

窯焚きの時に、作品自体も熱を蓄熱し
温度を保ちつつ上げていくのです。

このくらい作品が詰めてあると、
灰があまり被らないと思う方もいるようですが、
そんなことはありません。


窯詰めの時の作品の並び方や、
ドラフトの調節や、焚く時のコツで
穴窯にも劣らず灰を沢山被らせることもできます。

ただ、
ユアンは、彼の作品のデザインで
あの独特のオレンジ色を出すために、
灰を被り過ぎないよう調節してるだけです。


ユアン窯のテクニックについては、
今ここでサラッと書くのでなく、ちゃんと書きたいので、
また別に機会に詳しく書きたいと思います。



この写真は、
この前の父の日に
末息子からもらった似顔絵です♪

似てるかも・・?!

他にも、以前から欲しかった
アイスクリームメーカーをプレゼントされ、
大喜びのユアンでした。

早速、
友人から頂いたバニラビーンを使って
本格的なバニラアイスクリームを
作ってくれました。

とってもおいしかったです♪

いつも、子供たちの父親として、
そして私の夫として、
本当に頑張っているユアン。

感謝でいっぱいです。

いつもありがとう。

Happy Father's Day!

2010/06/18

こんな風になってます・・・


梅雨はどうなっているのでしょうか?

やっぱり地球環境が
変になっているのでしょうか?

来週は梅雨らしくなるらしいですが・・・。



しかし、
作品を乾燥させ、釉薬掛けをするには、
安定した晴れ間は、ありがたい。


ここ最近、晴れていても、
乾燥させるは一苦労です。


こんな感じです。

普段は、うちの子供たちが
サッカーゴールにしたり、
ぶら下がったりして、
遊んでいるこのパイプ、
また違う使い方ができました。(笑)


そう、立体になってます。

高くして、届かないようにしてるんです。



何が、届かないようにしているのか・・・



それは、子猫たち。



元気に走り回って、
木に登ったり、
じゃれ合ったりしてます。


とってもかわいい♪






でも、
作品を乾燥させているところで
元気よく遊ばれては、
壊れてしまいます・・・。









ちなみに、飼い主募集中です。
子猫の欲しい方大歓迎です♪

欲しい方は、ご連絡ください。

2010/06/05

息子の目から見た風景・・・

子供の宿題で、週末に日記を書きます。


いつも、
「あれをして、これをして、
それをして、楽しかった」
という文ばかり・・・・。

ある日、息子が
「特別何も日記に書くことがない」
と言うので、
何でもないことでも日記に書けると話しました。

そこで、
ユアンが、息子を外に連れ出し、
何が見え、どう感じるかをたずねました。

息子は、じっと風景を見つめ、
しばらく考え、そして書き始めました。


下の文が、息子が一人で書いた日記です。

ちょっと文が怪しいところもあるし、
習ったのに漢字が書けてないところもありますが、
書きあがって、読みあげた時に
感動してしまいました。

親バカですが、
本人に許可を得て、ここに載せました。
子供の目線の風景をおすそ分けさせて下さい。







「ある日曜日の日記」


今。

ぼくは、家の前のおかの上のベンチにすわっている。
父と弟のショーンといっしょに、
ポテトチップスを食べながらココアをのんでいる。

父の作ったマグカップでのんでいるココアはあたたかくて、
ほのかにあまいまろやかな味で、かおりはやさしくてふんわりとしている。
とってもおいしい。

昨日たがやした畑と、うちの庭のむこうには、
田んぼが見えて、その先には、おかや林が見える。
その遠くの遠くまで見える。

茶色い土、緑の葉、黄色とピンクとあわいむらさきの花、
そして、すんでいる青い空とすきとおった白い雲が田の水にうつっている。

太陽の光が畑にまぶしくてっているが、
今すわっているベンチは、木の葉のかげでまだらもようになっている。
そして、そよ風にのって空をとぶ青さぎと田を歩く白さぎの、かれた声がひびく。

何気ない事かもしれないけど、楽しくて美しかった。

ありがポテトチップスの地面におちた食べかすを、かたづけてくれている。
ココアのさいごの一口はつめたくなっていたけど、おいしかった。

ごちそうさまでした。






















2010. 5. 16 Rohan 8 years old


ユアンが英訳したものもあります。

English version:  
Euan The Potter 「Through my son's eyes」