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Welcome to my blog. This blog about my husband, Euan Craig, who is an Australian potter in Japan; about his works, making process, our life style and our family.

Euan Craig    A Potter's Life

このブログへようこそ。

陶芸家の妻、そして母である三日月こと私が綴るブログです。
オージー親父こと陶芸家の夫、ユアン クレイグの作品、制作過程、展示会や
家族との生活や色々な思いなどを書いています。

いわゆる贅沢はできませんが、
日本とオーストラリア両方の文化を取り入れたハイブリッド(?!)の生活をしています。

笑いあり、涙あり、歌あり、ジョークあり、賑やかに、
夫婦と子供たちと猫2匹で暮らしています。



21年間、益子焼きで活動してきたユアン。

東日本大震災で、震度6強の地震に被災し、
ずっと暮らしてきた栃木県を離れ、
私の実家のある、群馬県みなかみ町で再スタートし、
もうじき12年になります。

子供達の成長も含め、色々なことがありました。

まだまだ力が及ばないことも多々あり、
もがきながらも、私たちなりに頑張っています。

多くの方々、友人たちに助けていただき、
今までに色々なご縁に恵まれました。

ありがとうございます。

これからも私たちなりに頑張っていきますので、どうぞ見守っていてください。







2012/09/28

責任ある薪・・・

色々あり、なかなかブログが書けませんでした。
すみません。


ハッキリさせなければならない事がありました。

話は少しさかのぼりますが、
今年の2月頃に、
薪と灰の放射線量の指標値が下記の通り定められ
その知らせが来ました。


私たちは、栃木県窯業技術支援センターからと
群馬県からの両方から通知をもらいました。

・薪     40ベクレル/kg
・木炭   280ベクレル/kg






すぐに、薪を購入している業者さんに問い合わせました。

知っている方も多いと思いますが、
私たちが使用している薪は、
日本たばこ(JT)がタバコの葉を輸入する際に
梱包に使用している木のパレットを、
産廃の免許を持った業者さんが、
分解して束ね、薪にしているものです。


しかし、業者さんは、
何も検査はしていないと言うので、
JTに問い合わせてみてはどうかと話したところ、
すぐに問い合わせてくれ、検査結果を送ってもらえました。

結果は 0.07~0.15μSv/h でした。

これで大丈夫と安心し、
ユアンは窯のテスト焚きに向け制作し、
窯焚きをすることができました。























窯のテスト焚きは、無事にうまくいき、
作品も思った以上の結果で
ユアンも喜びました。

テレビの撮影も終わり、
やっと一息つく事が出来たので、
念のため、作品の放射線量を計ってみました。

0.05μSv/h の数値で点滅なので、
それ以下の数値か未検出という結果でした。





そして、また念のため
配布された通知とJTの検査結果をよく見てみたところ、
大きな違いにやっと気がつきました。

それは、国や県からの放射線量の指標値は、
ベクレル/kg

JTからの結果には、
μSv/h (マイクロシーベルト)だったのです。


ユアンが使った例で言うと、

犬のフ〇の内容の成分と
その匂いの成分を計ったくらい異なる。
だそうです・・・。
(不快な表現でしたら お許しください)


別の例で説明すると、

蚊取り線香の中身の成分の指数と
蚊取り線香から出ている煙の香りの指数
だそうです。


すぐに、業者さんに連絡すると、
組合に聞いてみたそうで、
このJTの検査結果をみて、大丈夫だろうと言われたそうです。
違いを説明しても、よく分からないとのこと・・・・。

次に窯業技術支援センターへ電話し、問い合わせると、
そこでも組合でも、ベクレルでの検査をする機械はなく、
マイクロシーベルトで大丈夫ではないかと言い、
もしくわしく検査したいのなら、
自分で直接検査機関へ頼むようにとのことでした。

紹介された検査機関に問い合わせると、
検査1回に3万円、
国の規定に合わせての詳細な検査は10万円、
そして、今は依頼が殺到しているので検査は半年待ち、とのこと。

ユアンは立ち往生の状態になってしまいました。

もし薪が汚染されているなら、
薪窯で焚く作品や窯に、灰被りで灰と一緒に付着し、
また煙突から煙に交じり放出され、窯周辺も汚染されます。

自然にやさしく、使いやすく、安全で、
使い心地がよく、美しい作品を作りたい、
と思うユアンにとって、
大きな壁でした。


もう一度書類に目を通していて、
群馬県からの通知に問合せ先として明記してあった
沼田市の環境森林事務所に連絡してみる事にしました。

事務所の方は、
丁寧かつ的確に対応してくれました。

検査したい薪のおが屑の1kgを事務所に持参すれば、
すぐに、無料で検査してくれるとのことでした。

電話を切ると、ユアンはすぐに行動しました。



きれいなビニールを敷き、
そこで薪を切り、
おが屑を1kg集めました。

そして、軽トラに乗り、
環境森林事務所へ行きました。
























事務所の方は、とても丁寧に対応し、話を聞いてくれ、
ユアンの状況を理解してくれました。

検査結果が出るのに
1週間くらい掛かるとのことでしたが、

7月30日、検査が終わった時点で
すぐに電話で結果を知らせてくれ、
その後、書類を郵送してくれました。

結果は未検出でした。

ユアンは、どんなにホッとしたことでしょう。

この薪は安全と証明され、
安心して窯焚きし、作品を制作できます。





















適当に、なあなあには出来ないこだわり。
でも、こだわらなければならない事。
信念を貫くのは、時には難しい時もあります。
それでもがんばるのが、ユアンの流儀。


9月になって最近、益子の陶芸家の友人から
薪の放射線の件についての会議が
益子で行われたと聞きました。
そこで色々説明があったそうです。


今、ユアンは初窯展に向け、
一生懸命に制作しています。

どんなに大変でも、信念を貫くユアンを
家族みんなで、心から応援します。

これからも。