
作品の高台を削る時、
独特の緊張感を感じます。
ユアンが削りを始めると、キリがつくまで、
子供を工房の方へ行かせないようにし、
私もユアンに話しかけないようにしています。
ロクロ成形の時も緊張感はあるのだけれど、
削りの時とはまた違う。
ロクロ成形のような派手さ(?!)もなく、
静かです。
でも、削りも作品の形を決める
大事なプロセスです。
削りは一発勝負、
ほんの数十秒で決まります。

削りまでの調整も大切です。
粘土の乾燥具合、
固さ具合、温度・湿度、
作品の状態を
常にチェックしながら、
そして、それを維持しながらです。
柔らか過ぎると引っかかりの跡が残り、
硬すぎると削れなくなります。
その時を逃さないようにしないとです。

時には、乾燥が早い時期は
そのタイミングを逃さないために、
夜遅くまで削りをすることも・・・。
見た目は簡単そうで、
一瞬のことですが、
奥が深いです。
すごいなあ・・・、
と何年一緒にいても感じてしまいます。

一瞬で出来あがります。
「この飛び鉋をするには
20年と数秒が掛かります」
とユアンがユーモアを込めて言いますが、
本当に時と経験のエッセンスの技です。
タッタッタッタッタッタッタッタッ・・・・・、
と軽快な音、リズムで
その出来具合が分かるそうです。

ロクロを止めた瞬間に
見える模様は、
何回見ても
新鮮さを失いません。

刻印を押して仕上げます。
これは、ユアンのロゴと
今年の干支、亥です。
意外とかわいいんです、
これが(笑)
使っている時には
見えないところですが、
丁寧な仕事だと思います。
お抹茶をいただく時に、まず指が感じ、
飲み終わった時に初めて器を見て、
その表と裏を味わって欲しいそうです。
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